今回は奥川美也子さん(みや)から福島県浪江町を訪れたときの写真とメッセージレポートが届いています。
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みやは、以前に紹介した木越省吾さんと同じく『福島ラーニングジャーニー』の運営メンバーとして、
長年福島に関わり続けていらっしゃいます。
以下、みやからの福島訪問レポートをお読みください。
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『浪江』
わたしはここに行きたくなる
なにがそうさせるのかはわからない
見えてくるのは広がる大地と遮るものがない空
ここにはなにもないのだろうか
なにもかもなくなってしまったのだろうか
わたしはここに引き寄せられる
行きたくなるのだ
度々訪れるこの地
数年前に訪れたときには
痛みや苦しさ、無言の空間から
昇華されずにただただ止まった時を
体には重く届くものがあった
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今回訪れた浪江は何か違っていた
海側には防波堤建設が進められ、
廃棄物処理施設に砂ぼこりをたて
トラックが行き交う風景
見えるものの景色の変化はそう大きくは
感じなかったが、体に届くのは 以前の重い感覚ではなく
しんと静まりかえる寺院や神社の中に
いるような、静かなときを感じた。
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わたしはそこに引き寄せられる
そこになにかがあるからだ
こたえを知る必要はなく
動き続ければなにかが観えてくるだろう
ここはあなたが今生きる時を
共に過ごしている地
あなたに何を語りかけているだろう
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