福島訪問レポート

福島訪問レポート

2018年5月28日

今回は奥川美也子さん(みや)から福島県浪江町を訪れたときの写真とメッセージレポートが届いています。

みやは、以前に紹介した木越省吾さんと同じく『福島ラーニングジャーニー』の運営メンバーとして、
長年福島に関わり続けていらっしゃいます。
以下、みやからの福島訪問レポートをお読みください。


『浪江』

わたしはここに行きたくなる
なにがそうさせるのかはわからない

見えてくるのは広がる大地と遮るものがない空

ここにはなにもないのだろうか

なにもかもなくなってしまったのだろうか

わたしはここに引き寄せられる

行きたくなるのだ

度々訪れるこの地

数年前に訪れたときには

痛みや苦しさ、無言の空間から

昇華されずにただただ止まった時を

体には重く届くものがあった

今回訪れた浪江は何か違っていた

海側には防波堤建設が進められ、

廃棄物処理施設に砂ぼこりをたて

トラックが行き交う風景

見えるものの景色の変化はそう大きくは

感じなかったが、体に届くのは 以前の重い感覚ではなく

しんと静まりかえる寺院や神社の中に

いるような、静かなときを感じた。

わたしはそこに引き寄せられる

そこになにかがあるからだ

こたえを知る必要はなく

動き続ければなにかが観えてくるだろう

ここはあなたが今生きる時を

共に過ごしている地

あなたに何を語りかけているだろう