『院内勉強会 国連人権理事会(UPR)福島原発事故関連勧告の意義とは』参加レポート

『院内勉強会 国連人権理事会(UPR)福島原発事故関連勧告の意義とは』参加レポート

2018年5月14日

今回はチェンジ・ザ・ドリーム シンポジウム ファシリテーターの『しょごちゃん』こと木越省吾さんから、東京電力福島原発事故に関連する勉強会についてのレポートが届いています。

しょごちゃんは、SGメンバーも多く関わっている『福島ラーニングジャーニー』の運営メンバーとして、長年福島に関わり続けていらっしゃいます。

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3月8日、参議院議員会館で開催された政治家(立憲民主、共産、社民など)やマスコミを巻き込んだ下記の支援集会に有志数名で参加してきましたので、皆さんに共有します。

東京電力福島原発事故から7年、政府は賠償や住宅支援の打ち切りなど被害を受けた人々の暮らしをまもること以上に避難指示を解除して帰還を推進する一方、人権を侵害しています。

つまり、グリーンピースの調査では避難指示解除後も公衆被ばく限度年間1ミリシーベルトを何倍も超える汚染が確認されたこと、区域外避難者の住宅支援が打ち切られ立ち退き訴訟まで起こっていること、福島県の子どもたちの甲状腺がん検査の縮小が多くの保護者の反対の中で検討されていることです。

被害した人々が直面している状況に対して、昨年11月に国連人権理事会によって国連加盟国4カ国(オーストリア、ドイツ、ポルトガル、メキシコ)が、原発事故被害者の人権状況を是正するように、日本政府に以下のように勧告しました。

①避難者が帰還に関する意思決定に参加できるようにする、そのために「国内避難民に関する指導原則*2」を適用すること
②妊婦および子どもの権利を尊重し、放射線の許容量を年間20ミリシーベルトから国際基準の年間1ミリシーベルトに戻すこと
③いわゆる自主避難者の住宅面・経済面の支援、健康モニタリングなどを継続すること
④福島原発事故の被災者や、原爆の被ばく者が保健サービスを利用できるようにすること

日本政府はこれらの勧告に3月5日同意を公表し、原発事故被害者に希望が出てきました。

このようにグローバルな観点からも日本の施策に疑問が投げかけられています。

上記の件に加えて、世界の潮流に逆向する日本のエネルギー政策を再生可能エネルギーへ転換するために政治的な場面で、市民が積極的に声を出してゆく必要があるように思います。

【参考記事:2017/11/14 国連人権理事会の対日人権審査で、福島原発事故被害者の人権問題に懸念 ーー日本政府は勧告の受け入れを】
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2017/pr201711142/