“エクイティへの鍵”DEIJワークショップ(リーダー/オーガナイザー対象)開催報告

“エクイティへの鍵”DEIJワークショップ(リーダー/オーガナイザー対象)開催報告

コミュニティ気候アクションコンソーシアム(CCAC)で、5月に気候変動に関するアクションをしている団体のリーダーを対象に、クライメート・リアリティ・プロジェクト・ジャパンと共催でDEIJ(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン、ジャスティス)をテーマにしたワークショップを行いました。

と聞くと、カタカナばっかりでとっつきづらい印象があるかもしれないので、できるだけ簡単に書いてみます。

気候変動について活動する団体のネットワークを作り、リーダーシップを育むことで世界的規模の気候変動を解決していこうとするこの取組みですが、これまで参加してくれた方々から出てきた課題として、男女(およびそれ以外の性に対する)差別や、世代間・人種・文化のギャップにより活動が停滞してしまったり、意欲を削がれたりするのをなんとかしたいということがありました。

そこで、今年度のテーマの一つとしてDEIJを掲げ、私たち一人ひとりが公正な社会の実現に向け知識や意識のアップデートをするだけでなく、それを広げていくことで気候変動の活動が無理なく行えるようになることを目的に、まずはリーダー向けの「エクイティへの鍵〜体験型クイズゲームで学ぶ多様性が尊重される公正な社会づくりのポイント」というワークショップを開催しました。講師は、東京大学バリアフリー教育開発研究センター特任研究員でもある藤原快瑤(ふじわらかよ)さんです(プロフィールは最下部参照)。

そもそも、にわかに信じられないかもしれませんが、この世界は公正にはできていません。

特権と呼ばれる、社会における多数派(マジョリティ)の人たちが気づかないけれど持っているパワーによって少数派(マイノリティ)の存在はないものとして扱われがちなのです。

ですが、この特権というのは、もっているか/もっていないかの2択ではなく、ある場面では持っていて、他のある場面では持っていないというようなものでもあり、自分自身がどのような特権を持っているのかを自覚し、持っていない人たちに光をあてていくことこそが公正な社会の一歩になるのだと思います。

ワークショップでは、さすがに気候変動や社会公正についての感度の高いリーダーたちが集まったことで、最初から特権・社会モデル・マイクロアグレッション(日常に埋め込まれた無自覚な差別)などについてたくさんの議論が交わされました。

気候変動に関わっているだけで「意識高い系」と言われ、日々の生活に困っていない余裕がある人たちがやっている(特権がある)と世間一般ではみられがちですが、もしかしたら人間の日々の活動の結果起こってしまった気候危機に取り組まざるをえないほど、私たちは追い込まれていて、マイノリティ性を持っているとも言えるのかもしれません。

気候変動に関わる私たちがDEIJを実現することで、それぞれの団体が公正な社会のモデルとして存在できたらそこから社会も変わっていくのではないかと思ったワークショップでした。

文責:Earthwisdom Japan 鳥谷部愛

また、今回共催をさせていただいたクライメート・リアリティ・ジャパンの三谷優衣子さんからも感想を寄せていただきました。


不公正な社会の仕組みや特権性の見えづらさ・自覚しづらさがうまく組み込まれたゲームで、参加者それぞれの気づきから深い学びにつながるようなデザインだと思いました。

DEIJ(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン・ジャスティス)は正しい理論として理解することももちろん必要ですが、私たちひとりひとりが自分の在り方に目を向けて、多くの場合自分が持っていることに気付いていない特権とそれによる周りへの影響に気付き理解を深める事が第一歩だと思います。

気候正義やDEIJをミッションにかかげ、多様な人々のネットワークとして気候アクションに取り組む団体を運営している私の立場からは、共に活動する仲間にも、別の立場として接する相手にも、多くの方に受けて頂き共に学び実践していきたいと思いました。

またワークショップ開催後、参加者の方が自社でも開催したいということで6月に開催されたり・・・と様々な展開、広がりを見せています。

今回はリーダー/オーガナイザー対象の開催でしたが、アンケート結果などからの要望を受け、気候変動の活動に携わる方々向けに広く開催をすることも、秋以降検討中です。ご期待ください

◆ファシリテーター:藤原快瑤(ふじわら かよ)


・グラデーション代表
・ダイバシティ&インクルージョン コンサルタント
・東京大学バリアフリー教育開発研究センター特任研究員

大学卒業後、韓国にてグローバル・リーダー育成事業に4年間従事。チェコで事業を立ち上げた後、日本に帰国。教育研修会社に参画し学んだことを国際開発の現場で活かそうとJICAの青年海外協力隊員として、中米のニカラグアに渡る。現地の農村部で2年間、ジェンダー・セクシュアリティに関する活動をしたのちに、コスタリカの国連平和大学院に進学。世界40カ国から集まった学生たちと共に学ぶ中で、世界の多様性を目の当たりにし、それが尊重される社会を実現する難しさと美しさを実感。現在は、これまで様々な多様性に触れてきた経験と、培ったファシリテーションのスキルを活かし、ダイバーシティ&インクルージョンをテーマに活動をしている。2016年度、2017年度内閣府次世代リーダー育成「世界青年の船事業」にてダイバシティ&インクルージョンコースファシリテーター。